約半数が1年待たずに廃業。厳しい飲食店経営に乗り出す前に考えるべき14のこと。

飲食店の経営は甘くない

飲食店を開業したい理由が料理が好き、接客が好きというだけなら従業員として働いた方が幸せかもしれません。
開業にあたり自覚しなければならないこと、それは『扱われる側から、扱う側になる』ということです。

これから飲食店を開業しようとお考えの方は、役職はどうであれ、従業員としてお勤めされてきた方がほとんどだと思います。しかし、これからは従業員として給料を貰う側ではなく、給料を支払う側の経営者として、考え方を一新しなければなりません。

『良くも悪くも全て自分の責任』
『自分の器(うつわ)以上に店舗は大きくならない』

上司、代表、オーナーからの指示の元で妥協できていた仕事も、実際に経営してみると妥協は100%自分に返ってきます。

もしお近くに成功している先輩経営者がいらっしゃったら、一度相談してみてください。
あなたが考えていることはその先輩経営者も考えていたはずです。
相談できる相手がいない場合はセミナーや交流会に参加するなど努力して相談できる先輩、仲間を作っていってください。

よくある失敗例として友人や家族に相談しているという方がいらっしゃいます。その相談相手が飲食店経営で実績を上げたプロであれば何の問題もありませんが、多くの場合は相談相手の友人、家族自体が飲食店経営の実績があるわけではなく、聞きかじりの知識で相談に乗ってくれているというだけに過ぎません。
感情論だけで言えば相談に乗ってくれる友人や家族に感謝しましょうとなりますが、先にも述べた通り、飲食店経営は甘くないです。

仮に間違ったアドバイスを真に受けて、実行してもしなくても、すべては100%自分に返ってきます。
その結果経営に失敗して多額の負債を被ることになったとしても自己責任で誰も助けてはくれません。むしろそうなれば、間違ったアドバイスのことも忘れて多くの人は離れて行くでしょう。

そうならないために知っておくべきこと、決めておくべきことが以下になります。

1.ゴールを明確にする

何かをやり遂げる上で必ず必要なもの。それは・・・
『ゴール』
まずは長期的なゴールを考えてみてください。
あなたがこれから何に向かって走っていくのか。
そのゴールは何が何でも達成したいものなのか。

  • 売り上げを安定的に上げ、利益を取っていく
  • 売上=お客様の満足度
  • お客様の満足度=料理がおいしい?
  • 需要と供給(自己満足になっていないか?)

2.事業計画(P/L、C/F)

事業計画の作成が今後の飲食店経営の指針になります。
多くの飲食店にチャレンジする創業者はこれを怠って経営が資金不足の袋小路に入ってしまいます。

  • 店舗コンセプト決定
  • 売上見込み作成
  • 回転率とは?
  • 稼働率とは?
  • 席効率
  • フードレイバー(F/L)とは?
    ⇒健全な飲食店舗経営のFLコストは?(日本政策金融公庫参照)
  • 損益計算書より重要なキャッシュフロー計算書とは?
    ⇒キャッシュフロー計算書=店舗の余命
  • オーナー収入
  • 多店舗展開

3.店舗物件選び

商売の成功は物件選びにかかっているといっても過言ではありません。
立地はもちろん、契約形態、契約期間・時期、居抜きとスケルトンのメリット・デメリットなど知らなければいけない知識がたくさんあります。

  • 店舗選びの注意点
    ⇒定期借家とは?
  • 路面店(1階)と地下/空中階の家賃相場の違い
  • 坪単価
  • 売上と家賃の比較

4.資金調達

飲食店は現金商売とはいえ先の資金を気にしなくて良いような甘いものではないです。
運転資金が必要になったその時に調べ始めるようでは失敗するために開業するようなものです。

  • 創業初期に借りれる金融機関
    ⇒日本政策金融公庫、信用保証協会、エリア限定融資制度
  • 補助金
  • 助成金
  • 融資に強い専門家とそうでない専門家
  • 創業期の税理士選びのポイント
    ⇒融資に強い税理士を選ぶ理由

5.内装/外装

内装/外装にどれくらい費用がかかるのかどのタイミングで発注するべきか、どのような業者に頼めばよいのかなど事前に調査が必要です。

  • 全て内製で職人さんを抱えている会社とそうでない会社
  • 飲食専門の内装業者
  • オープン前のトラブルの現状

6.メニュー作成

収益の核になる目玉商品を設定します。
近傍調査により競合他社の価格帯を調べるなどして価格設定しましょう。

  • 目玉商品

7.仕入れ業者選び

仕入れにどれくらいの費用がかかるのかなど事業計画を立てるために必要な知識です。
また資金調達を検討しているならば、仕入れ業者が信頼できる業者なのかは金融機関も見てくるため重要な選定要素です。

  • メーカー協賛品

8.厨房機器選び

状態の良い機器を安く仕入れるテクニックなどを知っておきましょう。

  • 新品と中古品

9.店内設備選び(クレカ、BGM、ネット環境等)

クレジットカード未導入店舗は来店動機を逃している可能性があります。
どのような店内設備が来店のポイントなのか知っておくことで、オープン当初の機会損失を避けることができます。

  • クレジットカード
  • BGM
  • ネット環境等

10.従業員募集

飲食店は接客業ですから、運営する人は最も重要です。
良い人材は黙っていては来てくれません。積極的に採用活動しましょう。

  • まずは周りから
  • 求人サイトの活用

11.広告宣伝

ただお店をオープンしているだけではお客様は来店してくれません。
チラシ、看板はもちろん、ホームページやSNS、グルメサイトの活用など積極的に情報を発信しないとどんなに料理がおいしくても競争に勝てません。

  • グルメサイトの活用
  • 店舗ホームページの活用

12.オープン

どれだけ準備できるかでオープン初日の満足度が変わってきます。

  • ここからがスタート

13.従業員教育

従業員がお店の顔になると心得ておきましょう。
接客しだいでリピーターを獲得できるかどうかが決まってきます。

  • マニュアル作成
    ⇒マニュアル化出来ないものと出来るもの
  • 『任せれない』から『任せられる』店舗へ

14.売上アップ

開店に成功したとしても現状維持をしているだけでは徐々に経営は成り立たなくなります。
開業すると決めたら走り続けなければいけません。常に売り上げを上げるための施策を考えましょう。

  • TTP(徹底的にパクる)
    ⇒繁盛店と自店のの違いは?
  • 売上構成比
  • 売込みも大切だが、お客様が勝手に買ってくれる仕組み作り

おわりに

いかがでしたでしょうか。
この記事を読まれた上でなお飲食店開業をしたいという熱い想いをお持ちの方は、ぜひ飲食開業相談室(無料相談会)へお越しください。
一切の隠し事なく無料で飲食店開業ノウハウのすべてをお伝えします。

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保坂 徹(飲食開業手帳 創業アドバイザー)

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