日本政策金融国庫の融資
政府系金融機関なので一般の銀行に比べて創業者への融資に積極的です。
代表的な融資制度に「新創業融資制度」「中小企業経営力強化資金」があります。
特徴として申し込んでから融資実行までの期間が1週間程度、どんなに遅くとも1ヶ月と融資実行までのスピードが早いことが挙げられます。
店舗が必要な起業では、融資が実行されてからでなければ不動産の契約ができないことが多く、資金調達と平行して物件探しをしていて最高の物件が見つかったタイミングで融資の実行が保証されておらず物件が流れてしまったというトラブルも多いため日本政策金融国庫を利用する方が無難です。
また、経営者本人の連帯保証人としてのサインが必要なく無担保・無保証で融資の可能性があるのも創業者にとって非常に有利です。
もう1つ大きなメリットとして他の融資に比べて自己資金要件が圧倒的に緩く希望融資額の1/10程度というのが大きいです。
この要件のため、実質的に選択肢が日本政策金融国庫からの融資しかなくなるという場合もあります。
自治体による制度融資
都道府県、市区町村が銀行や信用金庫にお金を預けて預かった金融機関が窓口となって融資を行います。
特徴としては日本政策金融国庫よりも金利が低いということが挙げられます。また自治体により異なりますが、自治体が貸付現資や利息の一部を負担したりしてくれるので結果的にかなりの負担軽減になることもあります。
デメリットとしては日本政策金融国庫とは対照的に自治体、金融機関、信用保証協会それぞれに審査があるため融資実行までの時間がかかります。
また融資希望額の1/2程度の自己資金が必要で自己資金要件が厳しいのも特徴です。
民間金融機関のプロパー融資
数は少ないですが、地域密着の信用金庫などが創業融資制度を用意している場合もあります。ただし担保の提供が必要など融資のハードルは高いといえます。
金融機関からの融資における注意点
家族や身内などから借り入れることも可能ですが、これは自己資金として認められないことに注意が必要です。
融資実行にあたって創業者個人の過去1年分の預金通帳の提出を求められるなど、審査の際は自己資金について厳しくチェックされます。また身内からの贈与であっても額が大きければ贈与税が課されることも忘れてはいけません。